三崚堂ブログ
- 鍼灸・カイロプラクティック 三崚堂治療院 院長のブログ
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臨床鍼灸治療学
臨床鍼灸治療学という本を読んだ。西條一止という方の著書である。
内容を大雑把に紹介すると、鍼灸は自律神経機能を調整することのできる技術であると言っている。
自律神経は自分の意思の及ばぬところで勝手に体のバランスをとっている機能。内分泌、循環、消化、吸収などその作用は多方面にわたる。その自律神経の機能を意図的に調整できるとなるとこれは大したものである。
本書に記載されているところでは、
○自律神経機能は生体が座位・立位では亢進し、臥位では抑制される。
○鍼は皮膚に浅く刺すと副交感神経機能を亢進させ、筋肉まで深く刺すと交感神経β受容体系機能を抑制させる。
○単純に筋肉が収縮(強縮)すると交感神経機能の亢進と副交感神経機能の抑制が起こるが、低周波により起こした筋収縮は単収縮なので同様な自律神経作用は起こらず、生体がそれらの作用を起こしやすい状態に持っていくにとどまる(閾値下刺激)。
そうした状態にある生体の作用方向性は、生体自身が持っている恒常性保持機能に従うか、生体の姿位に従う。
著書内ではさらに詳細に記されているがそこは割愛させていただく。興味のある方は読んでみてください。
ともあれ上記施術等を組み合わせて自律神経機能を調整しながら治療することにより、特に自律神経が関わる疾患の治療効果を高めることが出来るということである。
この著書を読んで目新しかったのは、生体は座位・立位の時に自律神経機能が高まり回復能が強まると言っていることで、寝ているより立ったり座ったりしてる方が回復能が高いというところである。
病気になれば寝てれば治ると思うのは、おそらく私だけではないと思う。
体力がなくなってしまう消耗性疾患以外は座位・立位の方が回復が早いそうだ。本当だろうか。
思えば代田文誌氏が氏の著作内に記す『澤田流』の『太極療法』では、背部の施灸は座位にて行うと書かれている。
座位では副交感神経反応が亢進するといったことを澤田流の始祖・澤田健氏が知っていたとは思えないが、結果的にはそのような効果を引き出していたと考えてみると、これもまた面白い。
また、副交感神経を高めるには交感神経をわずかに高めてやると良く反応すると言っていることも興味深く、様々な古典的治療法の持つ意味を整理する一つの視点に出来そうである。
その他、興味深かったものとして、交感神経反応(筋肉への刺鍼刺激)は反応がリバウンドするので反応を方向づけることは出来ないが、滞りや歪みをとるのには最も強力な道具となるということ。
リバウンドしないようにするには、刺鍼刺激による反応と生体リズムを同調させるか、閾値下刺激を作用させ生体の恒常性保持機能に任せればよいということなどでしょうか。(ちなみに副交感神経反応はリバウンドはしないらしい。)
いずれにせよ私にとっては治療に関するヒントがたくさん記されていた良著であった。
多少、読みにくい面もありますが、専門家の方にはお勧めしたい一冊です。
内容を大雑把に紹介すると、鍼灸は自律神経機能を調整することのできる技術であると言っている。
自律神経は自分の意思の及ばぬところで勝手に体のバランスをとっている機能。内分泌、循環、消化、吸収などその作用は多方面にわたる。その自律神経の機能を意図的に調整できるとなるとこれは大したものである。
本書に記載されているところでは、
○自律神経機能は生体が座位・立位では亢進し、臥位では抑制される。
○鍼は皮膚に浅く刺すと副交感神経機能を亢進させ、筋肉まで深く刺すと交感神経β受容体系機能を抑制させる。
○単純に筋肉が収縮(強縮)すると交感神経機能の亢進と副交感神経機能の抑制が起こるが、低周波により起こした筋収縮は単収縮なので同様な自律神経作用は起こらず、生体がそれらの作用を起こしやすい状態に持っていくにとどまる(閾値下刺激)。
そうした状態にある生体の作用方向性は、生体自身が持っている恒常性保持機能に従うか、生体の姿位に従う。
著書内ではさらに詳細に記されているがそこは割愛させていただく。興味のある方は読んでみてください。
ともあれ上記施術等を組み合わせて自律神経機能を調整しながら治療することにより、特に自律神経が関わる疾患の治療効果を高めることが出来るということである。
この著書を読んで目新しかったのは、生体は座位・立位の時に自律神経機能が高まり回復能が強まると言っていることで、寝ているより立ったり座ったりしてる方が回復能が高いというところである。
病気になれば寝てれば治ると思うのは、おそらく私だけではないと思う。
体力がなくなってしまう消耗性疾患以外は座位・立位の方が回復が早いそうだ。本当だろうか。
思えば代田文誌氏が氏の著作内に記す『澤田流』の『太極療法』では、背部の施灸は座位にて行うと書かれている。
座位では副交感神経反応が亢進するといったことを澤田流の始祖・澤田健氏が知っていたとは思えないが、結果的にはそのような効果を引き出していたと考えてみると、これもまた面白い。
また、副交感神経を高めるには交感神経をわずかに高めてやると良く反応すると言っていることも興味深く、様々な古典的治療法の持つ意味を整理する一つの視点に出来そうである。
その他、興味深かったものとして、交感神経反応(筋肉への刺鍼刺激)は反応がリバウンドするので反応を方向づけることは出来ないが、滞りや歪みをとるのには最も強力な道具となるということ。
リバウンドしないようにするには、刺鍼刺激による反応と生体リズムを同調させるか、閾値下刺激を作用させ生体の恒常性保持機能に任せればよいということなどでしょうか。(ちなみに副交感神経反応はリバウンドはしないらしい。)
いずれにせよ私にとっては治療に関するヒントがたくさん記されていた良著であった。
多少、読みにくい面もありますが、専門家の方にはお勧めしたい一冊です。
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