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三崚堂ブログ

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和漢三才図会

和漢三才図会は正徳二年(1712)に寺島良安が著し刊行されたとされる、全百五巻からなる当時の百科辞典のようなものである。

その巻第十一に『経絡部』、巻第十二に『支体部』が配され、これら二巻が鍼灸治療の参考となる。

『澤田流』の澤田健氏が後進に強く薦めていた著書のひとつとして知られており、参考までに私も目を通してみた。

これまで『澤田流』とされる代田文誌氏の著作を多く読んできたためか、『経絡部』を読んでみて目新しく感じるものはほとんどなかったのだが、『支体部』に面白い部分がいくつかあったので紹介する。


○旋毛(つむじ)の場所
『子・午・卯・酉の時に生まれたものは頂の正中にある。丑・未・辰・戌の時に生まれたものは右へ偏ること五、六分。寅・申・巳・亥の時に生まれたものは左へ偏るか、あるいは双旋毛。大体、胎内六ヶ月で毛髪は生じるものである。そうとすれば生まれる時も初めから定まっていることになるのだろうか。』

そんなこともないと思うが…


○眉について
『「唐書」に、「猿天綱は岑文本を見ていった。あなたの眉は目よりも長いから文章によって天下に名をあらわすでしょう」とあり、果たしてそのようになった。また現今の俗間の言い伝えでは、眉毛の中に見事な長いものがあれば、それは長寿の徴であるという。多くこれを試してみたがその通りである。また、左の眉稜骨が痒いときは恋人に逢える兆である。』

村山富市が長生きすれば真実か。
恋の始まりはもっとロマンチックであって欲しい。眉毛が痒くて始まる恋って…


○舌を噛むのは…
『人が自ら舌を齧むのは、厥逆(手足の先から内に向かって冷える症)が上に走り脈気が輩く至るからである。少陰の気が至れば舌を齧み、少陽の気が至れば頬を齧み、陽明の気が至れば唇を齧む、と。』

しょっちゅう口内炎が出来てる私は陽明の気が上がって来ているらしい。


○シャックリ
『思うに草を鼻に刺せば嚔する。嚔すればシャックリはとまる。また、口鼻の気を閉じて息をせず、すみやかにシャックリの出てくるのを受け、これを引けばたちまちとまる。大へん驚いてもとまる。これが三法である。
思うに、シャックリする人をみると叱って「汝はかに物を食べたな」といえばとまる。これは彼を大へん驚かす術である。あるいは舌を出させて、仮りに字を舌の上に書けばとまる。これは口鼻の気を閉じる術である。もし病根があってシャックリする場合は、上述の三法も効かない。柿蔕散[柿の蔕の黒焼]を白湯で飲み下せば大抵は効がある。もし煙草を吸ってシャックリをするものがあれば、急いで煎茶を飲ませればとまる。』

昔からシャックリを止める方法がいろいろあるということか。基本はやっぱり驚かすってことか?


○唾(津)の効用?
『毎日、口を漱いで歯をみがき、津で目を洗うとよい。常時、舌で拇指の甲を舐め、それで目をぬぐっていれば、永い間には翳は退いて目ははっきりしてくる。
いい伝えでは夜行のとき、唾で睫を濡らせば狐狸の災をさけられるというが、これも理由のあることであろうか。』

目と唾は相性が良いようで。
唾に関しては他に、『唾を吐くと精気を損い肺病になり皮膚が乾いちゃうから、遠くじゃなくて近くに吐けよ!っていうより吐かないのが一番なんだけどね。(意訳)」と言ってるところもある。「汚いから吐くな!」で良さそうだが。


○手
『「内経」に次のようにいう。西方は陰である。陰の精が下にあつまれば下が盛んになって上は虚となる。それで人の右手足は強いのである。東方は陽である。陽の精は上にあつまる。それで上が盛んで下は虚となる。それで人の左耳目はよく聞こえよく見えるのである。[人は南面を正とする。それで左が東となる。]』

なるほど東洋医学的な考察です。

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2007年3月、満を持して治療院を開業しました。

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