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菜食

ある患者さんから『健康の為には菜食が良いのか?』という質問を受けた。

昔は食べる物も豊富ではなく粗食の時代が長かったのは事実であり、特に我が国のような農耕民族は菜食を主としてきたと思われる。そしてその食環境に適応し、腸が長いという特徴のある消化器系を作り上げた。
しかし意識して菜食をしてきたのではなく、それしか食べ物がなかったからそうしてきたわけで、肉食が体に良くないからという理由ではない。また腸が長いからといって肉食が向かないという理由にもならない。
戦後、肉食を含む欧米の食文化が流入し、日本人の体格は一回り大きくなった。肉食は菜食よりも栄養価が高く、体の成育の為に有利なのは事実であろう。

私は大学院生の頃に4年間菜食を通したことがある。当時『偉人・天才達の食卓』という本を読み、過去の著名な哲学者、科学者には菜食主義者が多かったということを知った。菜食をすれば彼らのようなインスピレーション溢れる研究者になれるのだろうか?周りに菜食している人は居らず答えを得ることは出来ない。ならば自ら試してみようということであった。
1年目は完全菜食で動物性蛋白質は鶏・魚・牛乳に至るまで一切断った。2年目からは少し緩めて魚は食べることにし4年間続けた。
さて、何が変化したのか。

①痩せた。当時68kgがベスト体重だったが1年後には60kgを切り、最少58kgまで落ちた。特に筋肉が落ちた。
②体臭が変わった。当時の彼女(今の妻)に『蓬(よもぎ)の臭い』と言われた。いわゆるお爺さんの臭いらしい。
③元気が出なくおとなしくなった。良く言えば穏やかなのかもしれないが、何事も「ま、いいんじゃない」的な無関心状態に近い。
④しまいには左手首を骨折した。

いわゆる栄養不良な状態である。当時お世話になっていた教授が、『菜食は難しく、キチンと栄養のバランスを考えてやらないと逆に体を壊す』と言っていたが、栄養などこれっぽっちも考えてなかった私の体はまさに教授の言葉通りになってしまった。
では、体は犠牲にしたもののインスピレーション溢れる研究者になれたのか?…なれていたら、今、せっせと鍼を打ってはいない。

…という経験から患者さんからの質問には、菜食をする必要はない、したいならキチンと栄養管理をすべきと答えています。
現代は昔と違って食べられる時代ですから、無理に制限する必要はなく、成育に有利なものはむしろ食べるべきなのではないかと思います。
『偉人・天才達』もただ単に肉を自由に食べられなかっただけだったりしてね。

追記・肉食に対して栄養云々からではなく、命を奪われた動物達の思いがどうのこうのというところから否定する人達もいるが、その辺についてはまた日を改めてコメントしたい。
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2007年3月、満を持して治療院を開業しました。

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